横井 宏 / 「セント・ギガ」設立プロデューサー 屋久島の縄文杉のまわり何百個の風鈴をさげる。風鈴の森を風が吹き渡る。自由自在に風の道がスピーカーの間にできている。しかしその時ふっと気がついた。真ん中にまったく音のない空間が出現する。静寂が降り積もり、ものすごい気配を発している、それが縄文杉であった。また、四国カルスト台地の鍾乳洞の何万年したたり落ちてきた雫が四万十川を下り、暁に燃える太平洋の怒濤に出会う水の旅は、音をもって悠久の時を思わせた。 これが「セント・ギガ」の世界である。世界で始めての先駆的なコンセプトのもとに、衛星デジタル音楽放送が始まった。「太陽と月と海のリズム」に導かれて「音の潮流」が、大空から降りてくる。それは、美しい音を食べると、アクアマリンブルーに発光するという小さな生き物「ハーモニウム」からのメッセージである。『 “ I'm here ” “ I'm glad you're there ” 』 横井さん、あなたは時代をあまりにも早く来すぎました、そしてあまりにも早く逝きすぎた。しかし私達に未来への信頼と希望を、こんなにたくさん手渡してくれました。 |