篠田 桃紅 / 書家
書の美しさを世界に知らしめたその長い人生の航跡 は、とわに鳴り響く鐘の音のようだ。山中湖と富士をこよなく愛する。富士の霊気はその愛に応えるように、いつしかその書に舞い降りてくる、あ の端正な光となって。 「西岡さん、また来たのよ」、懐かしい言葉が、い つもドアを開ける。